第11回コミスペ 「薬害を防いだ労働者(ゲスト:北野静雄氏)」(2017.6.30)を受けて
Communication Space
前回からゲストをお呼びして、講義だけでなく、みんなからの質問に答えてもらったり、意見へのコメントをもらったりという対話形式の授業を始めていますが、いかがですか。時間の制限で限られた人数しか発言してもらえませんが、コミスペが活発になったのを見ると、十分に受け止めてもらえてるのかなと喜んでいます。
「短歌とその心」という変わった課題にもかかわらず、みんな苦心の作を送ってくれましたね。作品集は北野さんにお礼代わりに送りました。ここでは全部を載せられませんが、私が選んだ10選だけコミスペの後ろに紹介しておきます。(あくまで私の主観で選んでいますので、短歌の良し悪しではありません。)なお、短歌は全員必須ですよ。
いつものことですが、メールの件名を付けることと、末尾に(学部・回生・氏名)を忘れずに書いてください。コミスペの見出しはできるだけ自分で付けてください。( )付きの見出しは私が付けた印です。締切は月曜17時です。
「あなたが会社の不正行為を知ったとしたら、どうしますか?」のお題について
( )内の後ろの①②③は前回のGW報告書での答えです。
当日出席者74人中の答え分布は、①=19%、②=61%、③=20%でした。
内部告発をできるかどうか
* 私は北野さんのお話を聞いて、告発する勇気があるかどうかを考えました。会社は敵になるけど、会社のためになる。とても矛盾していると思いました。私は何も言えなくなるかもしれないな、と思いました。〈C1、①〉
→ 実際には、ほとんどの人がそうです。でも、それでいいとは言えないですよね。
勇気と気力 (私には自信が全くありません)
* その時代に、不正と戦うという、勇気と気力の必要な選択をされた先生に敬服いたしました。正直なところ、私が同じ立場に立たされたとしても、同じ行動を取れる自信はまったくありません。(T3、②)
→ 自信は誰もないでしょう。ただ、北野さんも言われたと思いますが、「不正と戦う」などという勇ましい覚悟があったわけではなく、こんな薬を愛する人に飲ませられるか?というごく普通の人としての良心だけは守りたかったのだと思います。
(何もしないことは自分を守れているのか)
* 今回北野さんの話を聞いて、実際に行動を起こした人の話を聞けたことは貴重な経験になり、もし自分が将来このような立場になった時にどうするかをすごく考えさせられました。
私なら会社を辞めるような覚悟がなく会社に抵抗するようなことはしないかなと考えていました。辞める覚悟がなくても何かしたいと思い匿名で告発したとしても取り合ってもらえるとは思えずばれた時が怖すぎると思いました。
しかし最後に内部の人間が誰も声をあげないと結局会社をつぶすことになるという北野さんの話を聞いて何もしないことは自分を守れているかのように思えて仕事をなくすことになるのかと考えるとぞっとしました。(M1、①)
→ 何ができるかは人によって様々でしょうが、何もしないと会社がつぶれた例は少なくありませんよね。
声を上げることの難しさ
* 今回のお話は、「会社に反旗を掲げる労働者」ということで身近に感じるものがありました。
私の知り合いが以前働いていた会社では、会社の不正がありました。その会社は製薬会社で、その不正というのは、薬の作用を偽造していたというものです。その事実が公になったとき、「患者を騙すことは出来ない」とその人は会社を辞めました。しかし、北野さんのように、労働組合を作ったり反対の意思を会社側に伝えたりはしていません。だから、今回北野さんのお話を聞いて、声を上げる人の希少さがわかったように思います。(J1、①)
→ 何と身近なところに当事者がおられたとはねえ。その方のことを思えば①を選んだのも理解できますが、他の会社でもまた同じようなことが起これば、今度はどうしますかねえ。大鵬の場合のことを、北野さんに書いていただきました。
⇒ 大鵬薬品のダニロン事件の時もそうでした。「こんなデータを隠すような会社で働きたくない」と思った研究者は多くいました。そして組合をやめるより、会社を辞める方を選んだ人は多かったのです。優秀な研究者ほど会社を辞めました。理由は、これからも同じようなデータ不正を起こすだろう(人殺しに加担したくない)ということデータは研究労働者にとって生産物(工場労働者にとってタンスが製造物である)だからです。会社を辞める気持ちはよくわかります。私たちが、会社を辞めない方法を選んだのは、自分にとって避けて通れない出来事であり人生の問題でした。後悔したくないというのが本音です。人生の後半になって後悔したくないともいえるでしょうか。もちろん首覚悟でしたが、「捨てる神あれば、拾う神あり」で会社は逆に、私たちを首にできませんでした。世論が私たちにあったからでしょう。多くの寝返った組合を止めて会社側についた人たちに対して、勝利和解が成立したのち、ある取締役が「組合を止めた人間を会社も信用していない」と私に漏らした言葉があります。都合の良い風見鶏はだれも信用しないということでしょうか。(北野静雄)
自分はリスクを背負えない
* 今回は、北野さんがゲストとして、お話を聞かせていただいたため、より、教科書の内容以上のことを知ることができました。グループワークにありましたが、わたしがもしダニロンのような会社の不正行為を知ったら、きっと②のマスコミ等に知らせると思います。リスクを背負う勇気はないけど、何も動かず知らないことにすることもできないからです。現在、マスコミの力は大きくなっていて、匿名でも、世間が会社の不正行為を知るのにそう時間はかからないと思います。でも、自分たちで薬害事件を防ごうと動きだして、11年間戦い抜いた北野さんたち労働組合は、すごいと思いました。(J1、②)
→ 匿名による通報は、動いてくれることもありますが、無視されることもありますし、通報を受けた相手次第です。前者の例は、テキストの206-207頁の囲みで紹介した四日市海上保安庁の田尻宗昭さんですが、これは希な例で、せっかくの通報も信用してもらえなかったり、会社に問い合わせたけど事実無根と言われてうやむやに終わったというケースが多いと思われます。でも、何もしないよりはましですが、リスクを負わない分、期待もできませんよね。
本日のグループワークを通して (板挟みからの打開)
* 私は今日のグループワークを通して、考えれば考えるほど、北野さんがいかに勇敢であり、難しいことにチャレンジしたかを思い知りました。私は二番の選択肢を選びましたが、マスコミや官庁等に告発を匿名でしてみたところで、相手にされなければどうにもならないし、匿名ではあまり大きな行動もできないが、社内で不正を正すために行動を起こしても、もし成功すれば良いが、自分がクビになってしまうかもしれない。でも、何もしなければ会社が潰れるかもしれない、という板挟みの状況にあることに気づきました。だからこそ、このような状況を打開できたことは素晴らしいことだと思いました。(J1、②)
→ 板挟みの状況をどのようにして打開できたのかこそ、学ぶべきところですが、理解できましたか? ②から③に進むには、その手立てを考えることが必要です。
北野さんのお話を聞いて (私なら絶対にできない)
* 今回は実際に大鵬薬品で働いていた方のお話を聞けて良かったです。北野さんは男の決心だと笑っておっしゃっていましたが、労働組合のトップとして行動を起こすのは本当に勇気のあることだと思いました。私なら絶対にそんなことはできないです。
最終的に誰もダニロンを使うことなく、販売が断念されて良かったし、それは労働組合のおかげで、北野さんはすごいと思いました。(J1、②)
→ 「勇気」「すごい」「良かった」は褒め言葉ですが、北野さんはそれを喜ばれません。なぜなら、必ずその次に「私にはできない」という言葉が続くからです。ほんの少しでも、私にできることを考えてください。
私は戦えるのか (実際に起こると・・・)
* 私はグループワークのときに、官庁かマスコミ等に知らせるという選択をしました。世論の力を借りた方がいいという考えもあったのですが、北野さんのように戦える気がしなかったのも理由の一つです。暴力的に弾圧されて、会社から爪弾きにされて耐えられるとは思えません。間違っていることを知りながら、それを見て見ぬ振りをするのは、罪であるとはわかっているのですが、いざ実際に起こると私は共犯者になってしまうのではないかと心配です。(J1、②)
→ グループワークの報告書を見ると圧倒的に②を選んだ人が多いですが、情報を信用してもらえるかどうかは不明ですし、場合によっては匿名でも犯人探しでばれてしまう危険すらあります。共犯から免れるには真実を知らせる他ありませんが、②はそれを保証するものではありません。
(悩むだろうな)
* 自分が勤めている会社が不正をしていたらどうするかという考えについて、やはり自分がクビになるのが怖い反面そんな会社にずっといたくないという思いもありました。またその会社の不正のせいで犠牲になっている人々のことを思うと余計になにか行動しなければいけないのではと思いました。(J1、②)
→ 誰でも悩みますよね。でも、そのときになったら、自分の行動を決めねばなりませんよ
忍耐力 (11年間も・・・)
* 北野さんがダニロン事件で闘ったときに11年間も嫌がらせに耐えたことに驚くとともに、その忍耐力と意思の強さを尊敬しました。私が北野さんと同じ状況であれば闘い抜ける自信がありません。また、労働組合の働きによってダニロン錠が誰の口にも入らなかったことは、大鵬薬品にとっても消費者にとっても非常に良かったと思います。(J1、②)
→ たしかに今から思えばよく11年間も頑張ったと言えるでしょうが、北野さんらにとっては会社で11年間くびにならずに働き続けることが闘いだったのです。会社の嫌がらせに対する闘い方もその中で次々と編み出したので、はじめから決まっていたわけではありません。たしかに意思がなければできなかったことは事実ですが。
北野さんの講義を聞いて (家族や仲間のサポートが・・・)
* 今回自分が北野さんの立場であったらそのような行動を起こしていたであろうか、ということをとても考えさせられました。大抵の人間はリスクを真っ先に考えて見て見ぬ振りをしてしまうと思います。しかし、北野さんもおっしゃってたように、家族や仲間のサポートがあることが一歩を踏み出せるほど大きな存在となるのだと再認識しました。(M1、②)
→ その通りです。家族や仲間のサポートが③の道を切り開くキーワードです。
良心にどう応えるか (自分もそうありたい)
* 今回、北野さんにきていただいて、薬害問題について講義をしていただきましたが、その中で自分が1番強く思ったのは北野さんがおっしゃっていた薬害問題との闘いは社員の一人一人が自分の良心にどう応えるかじゃないかなということでした。人体に悪影響を及ぼすかもしれないというデータが出ているならあとは自分がどういう行動を起こすかに全てがかかっていると思います。そこで行動を起こした北野さんたちは本当にすごいと思いますし自分もそうありたいと思いました。(J1、②)
→ 「すごい」で終わらずに、「自分もそうありたい」とと思ったことがうれしいですね。
企業と市民の関係
* 今回の講義で、私だったら会議の様子をボイスレコーダーで録音して、Twitterなどに拡散したいと思いました。数を味方につけたいと思ったからです。しかし、グループで話し合いをしていく中で、「ライバル会社のデマと思われる」「けっきょく会社の信頼がなくなる」という意見がでて、なるほどと思いました。それでもやはり、市民を味方につけるというのは重要だと講義内でも感じました。企業が市民に責任を負うだけでなく、市民も情報公開を利用するなど自身の安全に責任を負う意識をもつことも重要かもしれないと思いました。(H1、②)
→ 公益に反する行為を社内で止められないときは、行政や市民からのチェックで止めるよう情報を社外に通報することは欧米では認められていますが、日本ではようやく公益通報者保護法ができたものの、社外への通報はいまだにバリアーが高いです。法が不十分なら、市民こそ良心のある労働者たちを守る壁にならなければという意識をもっと高めることはたしかに重要ですよね。
良心と圧力 (匿名通報も最善策でない)
* 北野静雄さんは大鵬薬品労働組合の元委員長の方で、ダニロンの製造を止めるべく、会社に勤め嫌がらせを受けながらも、不正を世の中に知らしめました。
今回の講義を聞いて、この問題は昔の話だけではなく、今の時代も取り上げられるべきものだと思いました。GWで私は不正行為を知ったら、2番の『自分にリスクがかからないように匿名で官庁かマスコミ等に知らせる』を選びましたが、官庁やマスコミも会社の圧力で口封じさせられることも多いと思うので、最善策ではないと思いました。(J1、②)
→ 講義でもあったように、誰が通報したかを行政が会社に知らせたせいで不利益を被った例もありますが、今の法律では行政側は罰せられないのですよ。最善策どころか、安全策にもならないザル法ですね。
一歩踏み出す難しさ
* 終身雇用が少なくなり、転職する人も多くなった世の中で、データ隠しなどに気づいた若者がわざわざ内部告発して会社と闘う道を選ぶことは少ないと思う。多少は心が痛むが、やはり自分のことを優先し、知らんぷりをして、社会問題になる前に別の会社に転職する若者が多いと思う。一定以上の地位の社員がどのように行動するかが結果を左右することになるのではないだろうか。(M1、③)
→ 若い人が早めに見切りを付けて辞めるのはやむを得ませんが、一定の地位にいる人ならそういうわけにはいかないでしょうから、会社を何とかするように努力するべきでしょうね。自分たちが会社を担ってるという自覚があればねえ。
自分の勤めている会社の不正を暴くということ
* 自らが働く会社で、国民に大きな被害を与えかねない不正を見つけてしまった場合、実際に北野先生のように行動し、なおかつ勝利することができる人は本当にごくわずかではないでしょうか。
私は、グループワークの際、3の社内で手立てを打つことを考えるを選んだのですが、実際にそうできるかと言われるとまだわからないというのが本音です。今はまだ会社で働いたこともないですし、不正を見つけたら正義を振りかざして主張しようという考えをしますし、実際にそうするであろうと思います。
しかし、いざ社会に出てからとなると、仲間は案外少ないかもしれない。不正を放って置けないという考えを理解してくれない人が大勢いるかもしれない。そう思うとあまりにハイリスクな行動だと思いますし、そういう意味でも北野先生は本当にすごいなと思います。北野先生の不正を正そうという勇気、戦い続ける気力に大きな拍手を送りたいです。(J1、③)
→ 今回のお題を受けて、実際に自分ならと真剣に考えてくれたのがよくわかります。報告書では、あなたは「自分と同じ気持ちの人をたくさん探す」とありましたね。まさにそれが出発点です。まずは自分の気持ちを分かってもらえそうな信頼できる友達から声をかけて、徐々に仲間を増やすことが最善の策です。そのためには普段から信頼し合える友をたくさん見つけておくことですよね。
(3を選んだが・・・自信はない)
* 今回の大塚グループ大鵬薬品のダニロン事件での実験データの隠蔽、それに対する労働組合の抵抗で、20、30年前は労働者のことをなにも考えずに本当に企業の利益を最優先としていたのだな、と思いました。さらに、労働組合に対して労働組合潰しなどを企業側がやっていたなんて信じられませんでした。そんな中、委員長の北野さんを中心に諦めずに11年間も闘い続けて、そして中央労働委員会での和解協定を結んで勝利したことに、本当に尊敬します。
グループワークでの質問に対して僕は3を選び、その手だてとして仲間を増やす、と答えましたが、正直、11年間も闘い続ける自信はありません。そんなに闘うなら辞める気がします。だから、本当に北野さん達を尊敬します。(C3、③)
→ 「仲間を増やす」は正解です。それも「信頼し合える仲間を」です。大鵬のダニロン事件では、社内で何とかしようとした人たちは北野さんら以外にもいましたが、直訴グループも投書グループも何もできませんでした。労組グループも当初は80人もいましたが、残ったのは7人だけでした。でも、その7人は11年間崩されなかったのです。それはお互いを「信頼し合えた」からに他なりません。
(薬害が出たら大変なのになぜ隠す?)
* 今日は北野先生に来ていただいて、会社の内部から会社の不正をただしたお話を聞かせて頂きました。長い間、上層部からの嫌がらせを受けても会社に行き続けることは並大抵の信念では出来なかっただろうと思います。自分が同じ立場のとき、実際の同じ行動をとれるかどうかは分かりませんが、せめて優しく見守る人であれるよう努力したいです。
講義で一つ疑問に思ったのですが、自社の薬で被害が出た場合、自社が不利益を被ると思います。それでも薬のデメリットを隠蔽して売り出す意味はなんなのでしょうか?(M1、③)
→ 新薬の開発には大変なお金がかかっているので、あきらめきれなかったのでしょうが、北野さんにダニロンのときの様子を聞いてみました。
⇒ 製薬企業の特殊性として、発展を続けるためには、何年かごとに新薬開発をしなければならないことです。大鵬薬品では、制癌剤のフトラフールに続いて、新薬がほしかったのは事実です。新薬開発競争への焦りがあったのでしょう。それに人での副作用が「発がんの疑い」であったことです。発がんしても10年後にならないとわからない。そのとき癌とダニロンの因果関係を証明するのはきっと不可能でしょう。そういうことが背景にあったのだと思います。(北野静雄)
会社のためは自分のため
* 前回の授業中に、もし自分の会社の製品が有害であると気付いたときに自分はどうするかを考えた。授業が終わってからもしばらく考えていたが、僕はやはり会社の中で何か行動を起こすと思う。自分がクビになることを恐れて知らぬふりをしても、いずれ有害であることが判明したときに会社が倒産してしまうかもしれず、結局自分のためにならない。匿名でメディアなどに伝えても、信憑性に欠け、相手にされないことが多いであろう。有害であることを黙っていることは、人を殺してしまうことと変わりない。会社の将来のためにも自分のためにも、会社の中で自分の味方となってくれる人を探し、どう対応しなければならないかを会社で考えるようにするべきである。(M1、②)
→ グループワークのときは②で考えたようですが、授業が終わってからも考えた末に③に辿り着いたようですね。「自分の味方」となってくれる人を探すとのことですが、自分一人でやろうとするのではなく、「一緒にやれる人」を探し、みんなでやる道を模索しましょう。
「解決」の認識が変わった
* 今回、グループワークで「事件を知ったらどうするか」という議題で自分は「マスコミの拡散力に期待して匿名で投書すること」を提案したが、「それだと企業が潰れてしまうのではないか」という反論が出た。その反論に納得すると同時に、自分は知らないうちに「企業を倒すこと」が事件の解決だと勘違いしているのではないかと思い始めた。それは、教科書で「企業は過ちを正してくれたお陰で今がある」と感謝し、「北野さんは事件と闘う中で素晴らしい人と沢山出会えた」と感謝しているという記述を読んだ時も感じた。
本当の解決というのは企業を倒すのではなく、労働者側の言い分が正しいと思ったら受け入れる姿勢を取るように、双方が対立することなく必要な時に協力しあえるような環境が作られることなのではないかと思った。(E1、②)
→ その通りです。不正を隠蔽するような会社の姿勢を正すことこそが目的なので、潰すことは自分の首を絞めることにもなり、何の解決にもなりません。ただし、会社を潰さないことだけを優先して、不正を正す方を忘れてしまったら、それは解決でも何でもなくなりますが(笑)。ミドリ十字にも労組はあったそうですが、会社の不正に知らんぷりをしていたそうで、結局、会社と一緒になくなってしまいましたよね。
公益通報者保護法について
初めてのゲスト (内部通報が先には納得できない)
* 今日は初めて実際にゲストにお越しいただいて授業を聞きました。実際に問題に取り組んだ人のお話には説得力というかリアリティがあり、とても勉強になりました。改めて北野静雄さんに感謝したいと思います。
お話のなかでの公益通報者保護法で、先に事業内部に通報しなければ、行政機関に通報することができないというのはとても納得できるものではありませんでした。国は本当は通報者を守るつもりはないのではないかと思わざるを得ませんでした。(J1、②)
→ 会社の内部で自浄作用が適正に働けば言うことはないのですが、これまでの不正事件は会社の上層部が知った上で隠蔽したのがほとんどですから、内部で通報者が不利益を被る恐れは強く、第三者に通報して動いてもらう道を確保しておくべきです。
右は「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」最終報告書(2016年12月)で紹介されているWG報告書(2016年11月)の概要のうち重要な部分です。この中の「3.外部通報の要件」が厳しすぎるのが大問題なのですが、今回もまとまらず、見送りとなりました。真実相当性なんて、調べたらすぐわかるんじゃないんでしょうかね。
内部告発について
(社会の意識改革が必要だ)
* アメリカでは、内部告発者にはインセンティブが設けられていることを知り、日本とは大きく考え方が異なるのだと感心しました。日本では、公益通報者保護法があるとはいえ、告発後社内にいづらくなることも多く、再就職もしにくいのが現状です。
さらなる法整備はもちろん、社会全体で内部告発の重要性を再確認し、意識改革を進めていくべきだと考えました。(H2、③)
→ 日本ではまだ前の表にあるように、「外部通報の要件」とか「守秘義務」ですら、まだこれからという段階ですから、公益通報者に対する表彰など、話題にもなっていません。日本企業の封建的な体質がまだ根強く残っていることを象徴していますね。
内部告発の意義 (勇気ある行動を讃えなければ・・・)
* 薬品のように人体への有害性を隠して販売・使用されうる製品について、そのような事態を防ぐシステムはあるのかということは以前から気になっていたので、公益通報者保護法という法律があることを知ることが出来たのは有益だった。日本ではこのような通報を内部告発という後ろめたいイメージを伴う名前で呼ぶことが今回の講義でも問題視されていたが、全くその通りだと思う。薬害のような事態を外部の消費者にとっては知ることができる利益になる行為なのだから勇気ある行動として讃えなければならないと感じた。(L3、③)
→ その通りですが、北野さんらの頃はその公益通報者保護法すらなかった時代で、まさに企業はやりたい放題の時代だったのですから、頼るものは自分たちの信念以外にはなかったというのがよく分かると思います。公益通報者保護法はそのやりたい放題に一石を投じてくれましたが、まだまだザル法でこればかりに頼っているわけにはいかないでしょう。
ゲストの授業が始まった
初めてのライブ授業
* 今回は、初めてのライブ授業ということで、一体どんなお話をされるのか、とても楽しみでした。やはり、文章だけで見るのではなく、実際にそれを経験した人の話というのは、臨場感も説得力も凄いものがありました。特に、印象に残っているのは、最後のQ&Aのところでの、北野さんのお話しで、「不正を隠した会社は、潰れる。告発のように、会社の不正を正すことが、会社を守ることである。」というものです。今までの、自分の考えが一気に変わりました。告発というのは、会社を貶めるものとばかり思ってしまっていたからです。これからは、この日本社会でも、もっともっと告発というもののイメージの悪さが無くなっていって欲しいと心から思いました。 (J1、②)
→ 社会問題に関わるテーマでは教員が講義で話すよりも当事者の生の声の方が臨場感や説得力は圧倒的に勝ることは言うまでもありません。ただ、それを一過性に終わらないためには、単純に「良かった」「すごかった」「尊敬する」でおしまいではなく、自分の生き方に関係させてはじめて「聞いて良かった」「これからの人生のためになった」となるのではないでしょうか。「良いお話」をいくら聞いても自分の人生に関係させなければ身につきません。私のライブ講義の目的は臨場感や説得力だけではありません。
生の声
* 木野先生の講義や、過去の講義のビデオを見るだけでなく、ゲストの方にもお越しいただき、直接お話を伺うという形式が始まりました。やはり、実際に関わって来た人に講義をしていただくと、更に事の重大さなどがひしひしと伝わって来ました。その時々の心などを聞くことができて、他では味わえない経験ができました。(T1、②)
→ ゲスト講義の臨場感はその通りなんですが、授業は話を聞くだけで終わりではなく、聞いてから考えることが本番です。「良いお話を聞けた」だけで決して満足しないでくださいね。
北野さんの講義を聞いて
薬害を防いだ (もっと知られるべき)
* 今まで受けてきた公害についての講義では、公害などの事故・事件が起こった後の訴訟などについて教えてもらい学んできました。しかし、今回は薬害が起こってしまう前に行動を起こして、未然に薬害を防いだという内容であったので少し驚きました。そしてなぜか嬉しかったです。行動を起こすことになってしまうまでは前回までと同じように企業などの闇が見えてしまうというものであったのですが、やはり誰も被害者がいないということは喜ばしいことであると思いました。北野さんはここに来るまで様々な辛い、きつい思いをしたと考えられるので、未然に防いだという点についてもっと大々的に取り上げられて、たくさんの人に知られるべきだと思いました。(T1 、②)
→ 公害や薬害の事件では被害が起こってからの被害者や企業や行政や専門家などの対応が問題となりますが、被害を未然に防ぐという観点からは法的ないしは行政的な面で論じられることはあっても、実際の企業内部からの取り組みとしてはこの事件は稀有な例だと思います。公益通報者保護法の検討会などでもっと参考にしてほしいところですが、特殊な事例とみなされているのか、私も残念に思います。しかし、かつてそういうマスコミや世間が注目しなかった環境問題に取り組んだ人たちを表彰しようという目的の田尻賞(四日市の田尻氏の遺志を生かす賞)では第11回(2002年)に表彰されていますし、心ある人たちからは今も語り継がれています。
実際に経験した方の話を聞いて (考える貴重な機会になった)
* 実際に労働組合でご尽力なさった方の話を直に聞いて、街で他人のふりをされたり、実際に暴力があったり、それとは一方に見守ってくれる人や声をかけてくれる人がいたりと表面的な話だけではなく、実際に経験した人しかわからないようなことを聞けて、時代は少々違っていても、会社内での告発について考えるとても貴重な機会の1つになったと思う。(E1、②)
→ 「良い話を聞いた」だけでなく、「考える貴重な機会になった」と言ってもらえると、ゲストにも対話型でやっていただいたおかげとうれしいです。北野さん自身は90分自由にしゃべらせてもらった方が楽だけどとぼやいておられましたが(笑)。
揺るぎない正義
* 先日は大鵬薬品労働組合元委員長の北野さんの講演を聞き、普通の人では到底できないようなすごいことをやってのけた人なのだと改めて感じました。会社での立ち位置や今後のことを考えれば労働組合を作って会社と闘い続けることは少なくとも自分ではできなかったはずなので尊敬しています。これから同じようなことが自分の身に起きる可能性もあるかもしれないので、この出来事を知ることができて本当に良かったです。(C3、①)
→ 同じようなことにいきなり出会ったら考える余裕もないでしょうが、少しは心に余裕を持つことができればと願います。
(色々思ったこと)
* 今日の北野静雄さんの講義を聞いて、色々と思うことがありました。まず、自分から会社の不正を知り、会社そのものと戦う覚悟がすごいと思いました。私が仮に同じ立場なのだとしたら北野さんのような勇気ある行動はとることができないんだろうなと思います。会社相手に労働組合を結成し、様々な手段を用いながら何年間も闘い続ける姿勢は私にはなく見習いたいと思うものでした。会社と闘うにせよ法律というものをしっかりと知っていないと話にならないと感じましたし、これから自分が同じ立場にならないという保証はどこにもないので自分ももっと法律について勉強したいと思います。(C3、①)
→ 北野さんは事件にぶつかってから多くのことを人から教えてもらったり、自分でも勉強されましたが、あなた方は前もって勉強できるのですから、ぜひそうしてください。
企業の利己的方針と労働組合
* 今回、ビデオではなく、ゲストが講義に来られて、生で実際に体験された話を聞けて良かった。
僕はあるのが当たり前だと思っていた労働組合がなく、また作るのにも妨害があったり、不都合なデータを隠したりと、企業の利益を優先しようとして、あと少しで薬害が起こるところまで行ったということを聞いて、すごく不快な気持ちになった。それだけに北野さんたち労働組合の人たちの行動で、未然に薬害を防げたことは素晴らしいことだと思った。(T1、②)
→ 労働組合がない会社は今でも少なくありませんし、あっても組合に入る人が最近は少なくなっているようですよ。それに大鵬労組のように自社製品の問題に取り組む組合はごく少数です。薬害HIVで有名なミドリ十字にも組合はあったそうですが、何もしませんでした。おかげで、会社自体が潰れてしましましたよね。
辞めないこと
* 北野さんが今日おっしゃっていた「会社を辞めない、休まないことが闘いだと思った」という言葉がとても印象的です。本当にかっこいいし立派だと思いました。(N1、①)
→ 言うは易しだけど、行うは難しだよ。
(尊敬します)
* 私は北野さんを尊敬します。彼は社内の中で抵抗する行為が、中国民衆化運動家刘晓波が中國体制内で抵抗する行為と似ていると感じました。(L2、③)
→ 社内で抵抗した北野さんを、中国体制内で抵抗している劉暁波氏(2010年にノーベル平和賞を受賞した中国の人権活動家)と似ているとのことですが、ずいぶん飛んだ比較ですね。
労働組合の活動が与えた影響
* 北野さんは、ダニロンが売り出されていたにもかかわらず、誰一人薬害に苦しむことがないばかりか、誰一人使わなかった、と仰っていました。北野さんたちの労働組合としての戦いがなければ、結果は違っていたように思います。また、そうした活動が、市民、患者に反薬害の意識、さらに、大鵬薬品の売り上げ悪化を受け、企業活動の維持と言う観点で、コンプライアンス、アカウンタビリティーなどの社会的責任が要求される基礎になった、と言う意味でも、大きな影響を与えたように思いました。(J1、②)
→ たしかに国の薬事行政の不備を正し、反薬害の意識を高めるのに果たした大鵬労組の役割は大きいですが、残念ながら製薬企業の労働組合で後に続いたのはありません。むしろ、薬害被害者らが中心となって始めた厚生労働省(当時は厚生省)への働きかけ(「薬害・医療被害をなくすための厚労省交渉団」1984年結成)がその後の成果を引き出してきました。大鵬薬品労組も当初からこれに加わり、製薬企業の現場からの声を届けてきました。そういう意味では、反薬害の闘いは薬害被害者を中心に大鵬労組のような専門家も一体となったおかげで成果を生む出してきたと言えるでしょうね。
貴重な機会 (行動できる人になりたい)
* 大鵬薬品の薬害問題について、実際に労働組合を結成し、解決に取り組んだ方のお話を直接聞くことができるのは、とても貴重な機会でした。当時の気持ちなど、本で読むよりも、実際に話を聞くことで、より当時の状況が思い起こされました。
会社全体に関係する薬害問題に声をあげることは、すごく不安で、大変なことだと思います。けれど、誰も行動せず、多くの被害者が出ることを考えると、恐ろしいです。薬害に限らず、同じような状況に直面したとき、私も行動できる人になりたいと思いました。(J1、②)
→ 大鵬労組も表彰された田尻賞の発端である田尻宗昭さんは生前「なにやってんだ、行動しよう」と呼びかけられたそうで、田尻賞に選ばれた人や団体はまさに行動した方々です。何ができるかはそのときによく考えるべきことですが、考えただけで何もしなければ被害を見過ごしたことを後で悔やむしかないでしょうね。
(今は会社が良くなったと聞いて・・・)
* 北野さんの話を聞いて、会社と11年間も戦い続けて、11年もかかるなら普通は諦めてしまうと思いますが、自分たちの信念を貫き通したことがすごいなと思いました。大鵬薬品は今、データを社員に公開したり労働組合と協力するなど、すごくいい環境になっていて、ダニロン事件の経験を生かすことができていて、良かったなと思いました。(J1、②)
→ 私は大鵬労組の定期大会に毎年呼ばれて行ってますが、組合員の人たちはいつも自信に満ちた良い顔をしておられます。しかし、よく聞くと、放っておいたら当時のことを知らない上役らが組合を軽視し出すので、常に監視と闘いが必要なんですよとのことです。あのときの和解協定書を反故にさせないのも大切な闘いなんですね。
ゲスト講師に来ていただいて (薬事審議会の謎)
* 今回のゲスト講師北野さんの話をきいて大塚グループにそのようなデータ隠しがあったことに驚きました。つい最近チオビタを飲んだのでとても身近な話題に感じました。10年以上も企業から酷い扱いを受けながらも戦い続けることは本当にすごいことだと思いました。私は、ダニロンからホルムアルデヒドが発生することが容易に考えられるにも関わらず、薬事審議会が何も言ってこなかったことは本当にその危険性を見過ごしてしまったのか、それともわかっていながらも容認せざるを得なかったのか、つまり企業の力や上からの指示といった権力が絡んでいたのではないのかが気になりました。(J1、③)
→ 国の薬事審議会がチェック機能をなぜ果たせなかったのかという根本的な疑問ですよね。これは北野さんに説明をお願いしました。
⇒ 薬事審議会の先生方は薬の専門家たちです。そんな(当時の)専門家が見抜けなかったのは悲しいことですね。ダニロン事件では厚生省が日本で初めて「薬の再審査」を行いました。それまで製薬企業のデータを疑うこともなく、ほとんど十分な審査も行っていなかったのでしょう。薬害スモン事件やクロロキン事件が多くの被害者を出していた事実はそのことを示すでしょう。ダニロン事件以降、GLP(薬の試験の規範)など、データに関する規制「生データの保管、実験手順の標準化など」が強化されました。事件や事故で多くの命が奪われたのちの強化でした。先に規制が強化されていれば失われた命が救われたかもしれません。後付けの薬事行政は今もあまり変わっていませんが…。ダニロン事件では権力の絡みや企業の圧力などはなかったのではと思っています。(北野静雄)
勇気が賞賛される世の中へ
* まず初めに、北野さん貴重なお話をありがとうございました。
最近、薬剤への中国製アセトアミノフェンの混入問題が話題になっているので、「科学と社会」の授業はタイムリーな話題が多いなと少し驚いています。
日本では、告発することに対するマイナスイメージがまだまだ払拭されていませんが、公益のために声をあげる勇気がもっと賞賛される世の中になればいいなと感じました。(M1、②)
→ ダニロン事件の頃はまさにマイナスイメージだけの時代でしたが、大鵬労組を始め、いくつもの内部告発で企業や行政の責任が問われた結果、ようやく11年前に公益通報者保護法が出来ました。ザル法とはいえ、何もなかった当時に比べれば「公益通報」という少しは世間に通用するイメージが出てきたおかげで、通報の数も増えたように思いますが、欠陥はまだまだ大きいですよね。とくに通報者への賞賛という観点が全くありませんよね。
北野さんのような先人がいることを・・・
* わざわざ講義に来ていただき、直接お話をお聞きすることができて、とても貴重な経験ができたなと思う。
今回の講義で、もし将来自分の働く組織で不正が行われていることを知ったらどうしようかと初めて考えさせられた。北野さんのお話を聞いて、仲間がいれば辛くても正義のために行動を起こしたいと思った。仲間を探す勇気をなかなか持てないかもしれないが、組織と戦って正義を勝ち得た、北野さんのような先人がいることを心にとめればきっとそのような勇気を持てるだろうと考えた。
来週からも貴重なお話をきくための準備として、しっかりと予習をして授業にのぞみたいと思う。(M1、③)
→ 仲間がいるかどうかでそのしんどさはずいぶん違うと思います。でも、そのときになってから仲間を探すのは大変ですから、日常から信頼して話し合える友達を作っておくよう心がけましょう。
あきらめないこと
* 毎回コミスぺをちゃんと投稿しようと思っているのですが、久しぶりの投稿になってしまいました。
今回の講義を聞いて思ったのは、『継続は力なり』ということです。「その心は」の方でも書いたのですが、私は組織の悪い性質は変わらないと思っていました。しかし、北野さんをはじめとする労働組合の方々が、どれだけ辛い状況に立たされてもくじけず運動を続けたから、会社の改善が行われたのだと思いました。『人が変われば組織は変わる』という言葉を少し実感することができました。(J1、②)
→ 交歓会にもよく来てくれてるけど、この日は忙しかったのかな。「短歌とその心」は後ろの10選に入っていますが、「辛くても 少人数でも 諦めず 続けることが 改善の鍵」とは、まさにその通りですね。みんな、「その心」もぜひ読んであげてください。
交歓会で北野さんと話した人達
正しいと思うこと
* 今回も、楽しい授業をしていただきありがとうございました。ゲストをお迎えしての講義で、とても説得力のある話を聞くことができてよかったです。
今回の授業で、私は、自分が正しいと思うことをし続けるということについて考えました。それぞれが自らの正義を貫くことが大切なのだと思いました。北野さんは、ご自身の正義を貫かれたからこそ、清々しい表情をなさっていたのだと思いました。(N1、③)
→ 本当に良い顔をしてられたでしょ。
会社に必要なのは?
* 今回、大鵬薬品の労働組合が薬害を未然に防いだ例を紹介したが、実際に、今回のグループワークのお題の状況が起きたとき、どのようなことが想定されるか。
もし、社員が1を選んだ場合、後日、薬害が問題となったとき、責任逃れのため、自分は知らないことにして、隠蔽が続き、問題は悪化すると考えた。
社員が2を選んだ場合、その後、情報発信源が匿名という理由で情報が信用されなかったり、会社側が情報の発信元を捜索し、特定される恐れがあると考えた。
社員が3を選んだ場合、不正を正したいと考えている人々が集まり、労働組合を結成し、会社に立ち向かうなどの方法が考えられるが、その場合、会社側は自分にとって不利益になることを無視するはずがなく、労働組合をつぶそうとすることが考えられる。
私はグループワークで2を選んだが、実際はどれを選んでもデメリットが存在すると考える。だからといってなにも行動を起こさなければ、問題は大きくなる。それを考えると、私は、会社には今回の大鵬薬品の例のように労働組合を結成すると言うように、間違いを正そうと行動を起こせる人材が必要であり、会社は間違いを受け入れる姿勢が必要であると考えた。(S1、②)
→ グループワークを振り返って考えた様子がよく伝わってきます。みんなも考えてくれたことと思います。
交歓会でもお話しできた
* どれ程の逆境に立たされても、会社の嘘を断固許さない姿勢を貫き通した北野さんにただただ感服させられた講義でした。また、大鵬薬品だけでなく他の会社でもそのような運動があり、それが公益通報者保護法などの形で今の我々の安全な生活に繋がっていることを知り、ますます北野さんが偉大に感じました。
後の交歓会でもお話しさせて頂くことができ、本当に貴重な講義でした。(M1、②)
→ 初めて交歓会に来れてよかったね。授業とはまた違った雰囲気で、素直に話せる場ですからみんなもどうぞ。
(北野さんらの努力の結果を受け継いで・・・)
* 北野さんのお話を聞くことができ、その良心を貫く姿は、将来自分が何か行動を起そうと思ったときの指針になるように思いました。周囲に市民運動や抗議活動に参加したことのある人はほとんどおらず、まして中心になっている人になど会ったこともなかったので、いろいろなお話が聞けてよかったです。また最近は不十分ながらも内部通報制度ができてきていますが、それも北野さんをはじめとする皆さんの努力の結果なので、将来はそれをよりよいものにしていこうという努力を怠らないようにしたいです。
交歓会にも初めて参加しました。普段、金曜の夕方は非常に忙しいので参加できないのですが、たまたま時間があったので北野さんと直接話をできる貴重な機会をいただけました。(M1、③)
→ みんな、金曜の夕方は忙しい人が多いようだけど、休み時間の15分だけでも利用してください。
ゲストに授業をしてもらって
* 私はこれまでの授業で多くのことを学んだし、中にはビデオ講義に感銘を受けた授業もあったが、今回当事者である北野先生に授業をしてもらうと、やっぱり授業内容に熱い主張が込められていると思った。
特に最後の締めくくりでは、ゲストのライブ講義ならではの意見を聞けて、とても良かった。短歌を詠むのは難しいが、こういった授業をいいなぁと思った。(J1、②③)
→ ゲストの講義というのはそんなに珍しいことではないでしょうが、それがどういう目的で組み込まれているかは様々だと思います。この授業では、私が取り上げる課題のうち、当事者ならではの臨場感と説得力を伝えた方が良いと思うテーマについてゲストをお願いし、この授業全体の一体感を強めるのが目的です。ただ他の授業のゲストと違うのは、私が私的にお願いしている方々ばかりで、旅費も講師料も大学からはいただいておりません。3人とも自主講座以来のお付き合いですが、この授業で学生の皆さんと会って話し合えるのを楽しみに来ていただいています。交歓会で直に話して良かったと喜んでもらえるとうれしいです。短歌には驚いたでしょうが、「こういった授業はいいなぁ」と言ってもらえるとやりがいがあります。
関連HP紹介
「ネットワーク 医療と人権(MERS)」花井さんが理事をされているNPO http://www.mers.jp/
「全国薬害被害者団体連絡協議会」大阪HIV薬害訴訟原告団も加盟 http://hkr.o.oo7.jp/yakugai/
北野さんへの短歌10選 (選者:木野)
私の一存で選びましたので、評価とは関係ありません。(なお、出席は74人でしたが期限内提出は57人でした)
正しいと 誰もが知ってる はずなのに チクリと呼ばれる ちくりと刺さる
安全のために身を粉にして行動された姿に感動しました。同時に、会社内での苦悩がひしひしと伝わってきました。自分だったら、会社の不正を知っても会社内での立場に耐えきれないと思い、この句になりました。動ける人材になりたいです。(H1)
闇暴き 圧力受けるも 耐え続け 組み合い勝利し 会社を助ける
北野さんの頑張り、我慢が会社の運命を救ったんだなという意味を込めてこの句を作らせていただきました。今後、社会に出た際にこの話を思い出せるよう心に留めておきたいと思います。(E1)
迷わない 一人で抱えず 仲間探せ みんなを救い 自分も救う
北野さんは奥さんに決心を伝えることで応援をしてもらったそうで、迷ったまま相談するのが最も決心が鈍る。自分で決めてから相談することこそが一番だと感じました。そして戦うのは一人じゃ決して勝てない。周りを巻き込みみんなで戦おうとすることで、不正に巻き込まれる危険のあった人々が救われ、そして自分の会社、自分自身の心までも幸せになれるのだろうと感じました。(J2)
前向いて あなたの正義 貫いて
状況は違えど、間違っていることを正そうとするか、見て見ぬ振りをするかは誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。何が正しいと思うかは人それぞれですが、私は私の正義を貫きたいと思いましたし、それが正しいのだと思いました。
私は短歌を作るのが苦手なので、川柳を講義の感想とさせていただきます。(N1)
薬害を 未然に防いだ 信念を 忘れるべからず 受け継ぐべし
生の声で当時の状況を語っていただいて、本で読むより、一層逼迫した雰囲気が伝わってまいりました。企業側の激しい労働組合潰しを受けながらも、活動を続けてこられたその信念に感服しつつ、私のような若い世代もそれらを受け継いで、様々な問題に取り組んでいかなければならないと強く思い、拙作ではありますが、この詩にその思いを込めさせていただきました。(H2)
正しさが 常勝の世では ないからこそ 正義の勝利は 希望を与う
公害の被害者が加害者に対して当たり前の補償を求めても、裁判で負けることの多い世の中である。正しい者が必ず勝つ世の中ではない。だからこそ、北野さんが大鵬薬品に対して苦しみに耐え続けながら勝利を収めたことは、今なお苦しみ闘い続ける人達に正義が勝つという希望を与えている。(J1)
一時の 利益を取るか どうするか 長い目で見て 決めるべきなり
大鵬薬品の社長や副社長、隠蔽に関わった方々がもっと長い目で見れていればこのような事件は起こらなかったのではないかと思いました。薬を販売することになっていても、利用者から疑いの声があがり、結局は隠蔽が露呈して会社の損害になってしまうことは少し考えれば誰でもわかることだと思います。目先の利益ではなく、長い目で見てどういう選択が会社に良いのか、それを考えるのが上層部の方々の役割ではないかと感じました。
匿名ではなく実際に声をあげて会社と戦った方のお話を読むのも聞くのも初めてで会社や仕事に対する熱意なくしてはできないことだと感じました。(H4)
ひたむきに 良心貫く その姿 追い風吹いて じっと手を見る
研究者としての良心を決して失うことなく薬害を防いだ北野さんの話を聞き、今度は僕たち自身がより良い社会を作っていく番だと背中を押されたような気持ちになりました。そして、しっかりとその思いを受け継いでいこう、と思いました。(M1)
辛くても 少人数でも 諦めず 続けることが 改善の鍵
私はこれまでの講義を受けている中で、「組織の悪い性質は変わらない」という印象を持っていました。反対運動を起こした人たちの努力がほとんど報われていないように感じていました。しかし、今回の講義を受けて考え方が少し変わりました。以前から木野先生から聞いていた、「組織は人でできている。だから、人が変われば組織は変わる」という言葉を実感することができました。初めは少人数であっても、運動を始めた人々の主張が認められ、広まっていけば組織は少しずつでも変わっていくのだとわかりました。そのために必要なのは、どれほど厳しい状況になったとしても運動を続けていくことだと強く感じたので、このような短歌になりました。
今回の講義を受けて、組織がいい方向に変わっていくという希望を少し持つことができました。(J1)
「ありがとう」 最後はやはり この言葉 過ち認め 素敵な結末
教科書を読んだ際に一番印象に残ったのが「企業側は間違いを正してくれたおかげで今があると北野さんに感謝していた」「北野さんは、その事件と戦う中で色んな人と出会えて会社側に皮肉抜きで感謝している」という記述を見て、「訴えて認められて終わり」ではなく、やはり双方が最終的にはいがみ合うことなく「間違ってると思ったら労働組合の言い分を聞き入れる」というように双方が手を差し伸べられるように改善できることが本当の解決と言えるだろうと個人的に感じた。(E1)
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